3月21日(土)、政府は新型コロナウイルス感染症の対応で赤字となった企業に対して、前年度に納付した法人税の一部を還付する方針を発表しました。
自然災害特例(災害により被害を受けた場合の法人税の特例)を、新型コロナへの対応で出た損失に適用するとのことです。
対象となる企業
具体的に対象となる企業についての発表はまだありません。
想定されるものとしては、食材の廃棄や消毒によって損失が出た給食業者や飲食店。
消毒設備を設置する際の費用も災害損失として扱われることが想定されるため、ライブハウスやスポーツジムなど、過剰な報道によって被害が出た業者も救済される可能性があります。
あくまで、新型コロナウイルスへの対応に関連する費用が対象のため、単純に売り上げの減少によって赤字になった企業は対象外となります。
いつから還付されるの?
今のところ、方針が固められたと報道されただけで、具体的な日程等は決まっていないようです。
4月にまとめられる緊急経済対策とともに、企業の資金繰り支援についてなにかしら発表があると思われます。
自然災害特例とは
今回、新型コロナウイルスによる損失に適用される「災害により被害を受けた場合の法人税の特例」とはどういったものなのでしょうか?
概要
災害により損失が生じた場合に、法人税などが還付される場合があります。
災害により生じた損失の額は、その損失が生じた日の属する事業年度の損金の額に算入されます。また、確定申告や中間申告を行うことで、過去に納めた法人税や源泉徴収された所得税が還付される場合があります。
引用元:国税庁ホームページ( https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/04_4.htm )
新型コロナウイルスによる損失に適用
本来、中小企業は赤字となった場合、確定申告で前年度に納付した法人税の還付を受けることができますが、複雑な帳簿付けが必要な青色申告をすることが義務付けられています。
そのため、規模の小さい零細企業などは手続きの簡素な白色申告行っている場合が多く、法人税の還付を受けることはできませんでした。
今回、自然災害特例を適用することで、白色申告をしている零細企業にまで救済範囲が広がることになります。
青色申告をしている企業については、2年前までさかのぼって納付した法人税の還付を受けることができます。
また確定申告だけではなく、中間申告でも還付を受けることも可能に。
その他の経済対策
今回の新型コロナウイルスに対応する損失の対策以外にも、業績が悪化した中小企業や個人の税制面での支援策を検討中とのことです。
赤字となった場合でも、納付が義務付けられている固定資産税を減免する案が出ていたり、消費税減税を唱える声もあがってきています。
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