【ネタバレあり感想】映画『クラック:コカインをめぐる腐敗と陰謀』Netflixオリジナルドキュメンタリー|薬物と黒人差別は今も変わらない

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クラック 映画感想
出典元:Netflix
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Netflixのオリジナルドキュメンタリー映画『クラック:コカインをめぐる腐敗と陰謀』を観たので、ザックリとした感想を書いていきます。

社会的な知識等は皆無なので、間違っていることを書くかもしれませんが気にせずテキトーに書き綴りますので悪しからず。

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『クラック:コカインをめぐる腐敗と陰謀』の概要

1980年代の不況のさなかに出回り始めた安価で強力なドラッグ。人種差別を発端にモラルパニックまで引き起こしたクラックの複雑な歴史に迫るドキュメンタリー。

引用元:Netflix.com

 

監督:スタンリー・ネルソン

 

予告編は見当たりませんでした。

 

個人的評価:56点

 

ここから感想文(ネタバレ注意!)

『クラック:コカインをめぐる腐敗と陰謀』を観た僕の感想をザックリ書いていきますが、この先ネタバレにも触れるので何も情報を入れずに映画を観たいという方は、まず先に映画を観てから読んでください!

 

クラックの歴史が学べるよ

この映画を観れば、クラックがなぜアメリカに蔓延していったのかが分かり、そしてその裏にあるアメリカ社会の問題点も浮き彫りになります

それ以上でもそれ以下でもない映画でしたよ!

 

ちなみに僕は、恥ずかしながら違法薬物を使用したこともなけれな興味も全くないのでクラックが何なのかすら知りませんでした。

ということで、この映画で知ったクラックの知識をザックリとまとめます。

 

①クラックが出回り始めたのは80年代

②元々は、金融街を中心とした白人富裕層の間でコカインが流通しだす

③きっかけは映画『スカーフェイス』。金持ちの遊びとして広まる。映画って凄いし恐い!

④コカインは高いので、貧困層の黒人には手が出せない代物

⑤レーガンが大統領就任。貧富の格差が広がり、貧困層の黒人はますます困窮

⑥そのころ、アメリカに入るコカインの量が1.5倍になる。出回る量が増えたことで価格は下落

⑦コカインは使用するまでに、混ぜたり焙ったりと「調理」に手間がかかる

⑧そこで初めから調理されたもの=クラックが出回るようになり、価格も超安価なため貧困層の黒人たちの間で爆発的に広まる(もちろん白人たちもめちゃくちゃ使用)

⑨クラックの売買にはマフィアが間に入らない。よって、売人たちが自由に売買できるため、仕事にあぶれたり金に困っている若者たち(主に黒人)が売人となり稼ぎまくる

⑩その間警察は見て見ぬふりで一切関わらず。なぜなら売人のボスから賄賂をもらっていたから

⑪クラックの蔓延と共に、売人たちの縄張り争いも激化。次第にギャング化した売人たちは自分たちのシマを守るために武装。ギャング同士の抗争で死者続出

⑫抗争に一般市民も巻き込まれ始め、大きな社会問題へと発展

⑬事態を重く見た政府は『ドラッグを勧められたら「NO」と言おう』キャンペーンを実施。超偽善的かつ効果ゼロのクソみたいな政策をすすめる

⑭実はそのキャンペーンの裏で、政府はコカインの流入に大きく手を貸していた(詳しくは後述)

⑮世間では、クラック常用者が産んだ子供には一生障害が残るという「クラックベイビー」なるデマが新聞・テレビ・雑誌等で報じられ、多くの人が信じ込む。そしてなぜか黒人女性だけが偏見と非難に晒される

⑯時を同じくして、新人警官が売人に撃たれて死亡。今まで黙認していた警官たちがさすがにブチギレて取り締まりを強化

⑰売人を排除しろ、という世間の流れを受けて、政治家たちも点数稼ぎのために急ピッチで取り締まりの法律を作る。結果、偏りまくった法律が出来たことにより黒人ばかりが逮捕されまくる

⑱クリントン政権となり、一層の警察の強化を図る。それにより警官の兵士化がすすむ。コカインはOK、クラックはNGみたいな流れができて黒人の逮捕者続出

⑲違法薬物に関する取り締まりの流れは、現在でも変わらず続いているし、それが昨今のブラック・ライブズ・マターに繋がっている

 

僕が学んだことはこんな感じです。

 

レーガンとトランプ

政治的なことを論じようとかそういうわけではなく。

本当にこの2人は激似なんだなぁと思ったという話。

レーガンの演説の様が、ほぼトランプ。

というかトランプが真似ているのか。

顔は違えど、表情とかクビの傾け方とかまでソックリ。

トランプ、相当研究したのか元々心酔しているから自然とそうなったのかは分かりませんが。

少なくとも、トランプがレーガンのことを大好きなのはわかりました。

ちなみに若き日のバイデンも点数稼ぎ議員の1人として一瞬出てきますよ!

 

浮き彫りになったアメリカの闇

クラックの蔓延でボロボロになったアメリカ。

市街の映像が映されるけど、本当に荒廃しきっている。

政府は「NOと言おう」キャンペーンという空前絶後の超偽善的キャンペーンを実施。

タイソンが「生きるためにNOと言おう」と言って参加してる辺りが実に味わい深い。

そんなキャンペーンの裏で、政府はコカイン大量流入に加担。

 

具体的には、

 

①中米にあるニカラグアという小国の独裁政権とアメリカは仲良し

②しかし、マルクス主義を標榜する共産主義者らによる革命が成功し(サンディニスタ革命)、サンディニスタによる独裁政治が始まる

③アメリカとしてはマルクス主義を容認することができないので、ニカラグアの反政府ゲリラ・コントラを支援

④反政府ゲリラを支援なんて、もちろんアメリカ国内では非難轟々

⑤だったらこっそり支援しよう!ということで、アメリカ政府はまずイランに武器を密売

⑥それを資金源に支援物資をこっそりコントラに輸送

⑦支援物資の代わりにニカラグアでコカインを積んでアメリカに帰国。コントラはコカインの売買でも潤う

⑧アメリカ政府はコカインの密輸に気づいているが、コントラ支援にもなるため黙認

 

こんな流れ。

これって『バリー・シール』でも描かれてたところですよね?

政府は表向きにはクラックに蝕まれていく人たちを救済するキャンペーンをしつつ、実際にはコカインの密輸に大いに加担するという、結局は貧困層のことなんかまったく見ていないという、分かっちゃいたけど本当にそうだったという。

実際にどうだったのかは映画の中では分からなかったけど、このことが公になったところで誰か上の方の人が罰せられるようなこともなかったみたいだし(あったらごめんなさい!)、結局罰せられるのは売人&クラック使用の黒人が大半。

こんな流れが今でも断ち切れずにいるから、いつまで経っても人種差別はなくならずに現在に至ってしまっているのだなぁ、なんて薄ぼんやりと考えたりしましたよ。

 

総評

そんな感じでいろいろと考えさせられることも多々ありつつも、映画として面白かったかと言えば、至って普通でした。

ここで書いたこと以上でも以下でもない、物凄い驚きと衝撃を受けるようなこともなく、「うーん、これは根深い問題ですねぇ」ぐらいにしか思えなかったのは、問題意識の低い僕の問題なのだろうか。

そんなことを自問自答しながら締めさせていただきます。

 

この他にも映画の感想を書いていますので、興味があればぜひ!↓

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