【ネタバレあり感想】映画『すばらしき世界』|「他人」を受け入れるということ

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すばらしき世界 映画感想
(C)佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会
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現在公開中の新作映画『すばらしき世界』を観てきました!

先週観た『花束みたいな恋をした』の麦くん&絹ちゃんのことを未だ忘れられないでいるのに、また三上というしばらく忘れられそうにないキャラに出会ってしまいましたよ。

ってな感じの感想を書いていきます!

 

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『すばらしき世界』の概要

「ゆれる」「永い言い訳」の西川美和監督が役所広司と初タッグを組んだ人間ドラマ。これまですべてオリジナル脚本の映画を手がけたきた西川監督にとって初めて小説原案の作品となり、直木賞作家・佐木隆三が実在の人物をモデルにつづった小説「身分帳」を原案に、舞台を原作から約35年後の現代に置き換え、人生の大半を裏社会と刑務所で過ごした男の再出発の日々を描く。殺人を犯し13年の刑期を終えた三上は、目まぐるしく変化する社会からすっかり取り残され、身元引受人の弁護士・庄司らの助けを借りながら自立を目指していた。そんなある日、生き別れた母を探す三上に、若手テレビディレクターの津乃田とやり手のプロデューサーの吉澤が近づいてくる。彼らは、社会に適応しようとあがきながら、生き別れた母親を捜す三上の姿を感動ドキュメンタリーに仕立て上げようとしていたが……。

2021年製作/126分/G/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画

引用元:映画.com

 

監督・脚本:西川美和
原案:佐木隆三

出演:役所広司、仲野太賀、六角精児、北村有起哉、白竜、キムラ緑子、長澤まさみ、安田成美、梶芽衣子、橋爪功

 

予告編はこちら↓

 

個人的評価:85点

 

ここから感想文(ネタバレ注意!)

『すばらしき世界』を観た僕の感想をザックリ書いていきますが、この先ネタバレにも触れるので何も情報を入れずに映画を観たいという方は、まず先に映画を観てから読んでください!

 

愛すべき男・三上

パンフレット
パンフレット

三上のことをしばらく忘れられそうにありません。

先週観た『花束みたいな恋をした』のおかげで、CMで菅田将暉を見ると「あ、麦くん」と思ってしまうように、役所広司を見ると「あ、三上」と思ってしまうほどに、忘れがたい登場人物と出会えた映画でした。

それだけでもう大満足。

 

殺人の罪を犯して13年の刑期を満了して出所した元ヤクザの三上。

殺人については全く反省しておらず、満期出所したんだからもういいだろという態度。

気に食わないことがあれば瞬間的にブチギレ、基本的にはなんでも暴力で解決。

近くにいたら絶対に関わりたくない人種。

でもその反面、最高に人懐っこくて、真っすぐ過ぎるぐらい真っすぐで、優しい人でもあるという。

だから全部許せるってわけでも全然ないんだけど、その2面性こそが三上の魅力でもあるし、社会で生きづらくなってしまう要因でもあるんですけど。

自分の周りにもいる「あーなんでそこでそういうこと言っちゃうかなぁ、もったいない」って人の極致。

 

そんな三上の2面性を見事に演じ切った役所広司は偉大であるって話でした。

 

自分とは違う他者を受け入れるということ

焼肉屋
(C)佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

犯罪を犯した人間が社会復帰して一般人として生活していくことが、いかに困難なものなのかをまざまざと見せつけられる映画でした。

どんな人にでももう一度やり直せるチャンスは与えるべきと正義面して思いつつも、もし自分の周りに三上みたいな人がいたら面倒に巻き込まれたくないから見て見ぬふりして積極的に関わろうとはしないんだろうなぁなんて情けなくも思ったり。

カタギになろうと思っても社会がそれを受け入れず、なかなか思うようにいかない三上は「手っ取り早くて簡単だから」ってことでヤクザに戻ろうとします。

でも今のご時世、ヤクザだって昔みたいに稼げるわけもなく、もはや三上を受け入れてくれるところはヤクザの世界にもカタギの世界にもなく。

だから、社会のレールから一度でも外れたらもう二度と戻ってこれないんだっていう、日本社会の問題と絶望を描いている映画なのかと言うと、全然それだけではなくて。

三上の周りには「純粋な善意の人」がいるんです。

自分の損得だけではなく三上を支えてくれる、身元引受人の弁護士夫婦や、福祉事務所のケースワーカー、スーパーの店長、そして津乃田。

こんな人たちホントにいるのかよ?!って一瞬でも思ってしまった僕には純粋な善意の心がきっと1ミリもないからで、実際にはこういう人たちって世の中に本当にいて、その人たちのおかげで社会から外れてしまった人たちのうちの何人かはちゃんと社会復帰できているんだろうなぁって考えたり。

自分とは違う他者を受け入れるってことは本当に難しいことだけど、この映画を観てしっかり感動してしまったんだから、善意の心は持てずとも他者を受け入れる寛容な心だけは絶対に持って生きて行こうと思いましたよ。

 

総評

マイティ
(C)佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

風呂場で背中流すシーンは近年観た中でも一番泣いたシーンだし、厭な感じの長澤まさみは最高だし、就職決まって「シャブ打ったみたいやぁ!」って走るシーンも爆笑だし、ゴリライモとの外連味たっぷりの決闘シーンも最高だし、とにかく何度でも思い返したくなるシーン満載の映画でしたよ!

中でも個人的には、三上が育った養護施設に向かうバスの中で三上と津乃田が話してる、あの穏やかで温かすぎるシーンが一番印象に残ってるしこの映画のベストシーンだと思ってます。

全然総評じゃないけど終わります!

 

この他にも映画の感想を書いていますので、興味があればぜひ!↓

 

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