【Netflixオリジナル】映画『アンカット・ダイヤモンド』感想|物凄い勢いに巻き込まれて訳が分からないうちにとんでもないところに連れてかれました【ネタバレあり】

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アダムサンドラー 映画感想
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Netflixオリジナル映画『アンカット・ダイヤモンド』を観ました。

とにかく物凄い勢いと行き当たりばったりな主人公に、観ているこちらが巻き込まれて訳が分からないうちに気づいたらとんでもないところに連れていかれてしまったので、気持ちを整理するために雑に感想を書いておすすめしたいと思います。

残念ながらノミネートはされませんでしたが、アカデミー作品賞のノミネート作品候補として名前が挙げらえるほど世界的にも評価されています。
主演のアダム・サンドラーの「キャリア史上最高の演技」と称されるほどの120分間超ハイテンション演技を堪能して、僕と同じく思いっきり巻き込まれてみてはいかがでしょうか?

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映画の概要

「グッド・タイム」のジョシュ&ベニー・サフディ兄弟監督が、アダム・サンドラー主演で描いたクライムドラマ。ギャンブル中毒の宝石商ハワードは、借金まみれで常に取り立て屋から監視されていた。そんなある日、ハワードはエチオピアで採掘されたブラックオパールの原石を手に入れる。ハワードはその石をオークションに出品して大儲けしようと考えていたが、店を訪れたNBA選手ケビン・ガーネットが異常なほどに興味を示し、仕方なく彼と取引することに。しかし事態はさらにハワードの望まぬ方向へと転がっていく。ケビン・ガーネットとミュージシャンのザ・ウィークエンドが本人役で出演。Netflixで2020年1月31日から配信。

2019年製作/135分/アメリカ
原題:Uncut Gems

引用元:映画.COM

監督:ベニー・サフディ ジョシュ・サフディ
脚本:ベニー・サフディ ジョシュ・サフディ ロナルド・ブロンステイン

出演: アダム・サンドラー、ラキース・スタンフィールド、ジュリア・フォックス、ケヴィン・ガーネット、 イディナ・メンゼル、エリック・ボゴシアン、ジャド・ハーシュ、 キース・ウィリアムズ・リチャーズ、 ポム・クレメンティエフ、パロマ・エルセッサー、マイク・フランチェスカ、ジョナサン・アランバエヴ、ノア・フィッシャー、ザ・ウィークエンド

予告編はこちら↓

個人的評価:75点

ザックリ感想(この先ネタバレ注意!)

映画を観た僕の感想をザックリ書いていきますが、この先ネタバレにも大いに触れるので何も情報を入れずに観たいという人は、先に映画を観てから読んでください!

特にこの映画は何も知らずに観た方が絶対楽しめると思うので、まずは映画を観てくださいね!

登場人物全員身勝手、全くかみ合わない会話の応酬

映画冒頭、エチオピアの鉱山。
ブラックオパールが採掘されるのですが、脚を大怪我して運び出される作業員を囲む他の作業員たちが、何語か分からない言葉でとにかくギャーギャー捲し立てて騒いでいるのです。

この映画、この「何言ってるか分からないけど、とにかくうるさい」感じが135分間続くと言っても過言ではありません。
いや、過言です。すみません。

主人公はギャンブル中毒の宝石商ハワード(アダム・サンドラー)。

とにかく登場人物がハワードを筆頭に全員が自分勝手で、基本自分のことしか考えていなくて、会話も自分が言いたい事をお互い捲し立てるだけで相手の話なんて聞いてないんです。

全員がずっとそんな感じなので、もう何喋ってるのか全然わかりません

登場人物の関係性もよく分からないうちに話はどんどん進んでくし、会話の途中で突然張り手くらって「え?なんでビンタされたの?てか誰?」ってこっちが思ってる間にもなんか会話ガンガンしてるし。

こっちがちょっとでも考え事すると、もう話に置いてかれてしまうので全然気が抜けない、というか考える隙を全く与えてもらえないといった感じです。

置いてかれないように必死に映画にしがみついていても、そもそもどこに向かっているのか全く分からないし、なんでこっちが必死にしがみついてなきゃいけないのか分からないし、一体俺は何を観せられてるんだ!とだんだん腹が立ってきます。笑

本当にこんな感じで最後まで映画は進んでいくので、途中で嫌になって飽きてしまう人も少なからずいると思います。

ラストに向けて畳み掛けるように超面白くなっていき、そして気づけばとんでもないところへ

そんな感じでムカつきながらも必死にしがみついて観ていて分かった大筋のストーリーをザックリ書くと、

主人公ハワードはバスケ賭博に狂ってる
・結果10万ドルの借金を抱え、借金取りに脅されまくってる
・ハワードは基本その場しのぎの解決策で、思いつきの行き当たりばったりで行動している
・その行動はすべてうまくいく前提で先走って動いているが、すべてが最悪の結果で失敗する
・その間も他の人から金借りたり、人のものを勝手に売ったりして借金も膨らむ
・最後の切り札「ブラックオパール」を100万ドルで売るはずも、紆余曲折ありまくり何だかんだで16万5千ドルで売れる
・その金で借金返済するわけもなく、全額バスケ賭博に賭けて最後の大勝負へ・・・

といった感じです。

さらにこれに冷めきった夫婦の話や、愛人との痴話話、ユダヤの文化の話、その他もろもろが脈絡もなく絡んできます。

「頼むから落ち着いて話してくれ!」とイライラさせられながらずっと観ていたのですが、映画終盤すべてがうまくいかず万策尽きたハワードが両鼻にティッシュ詰め込んで「何やっても全然うまくいかないよぉぉぉおおお!」とついに泣きわめいてしまう爆笑シーンのあたりから急激に面白くなり始めるのです。

一旦どん底まで落ちた男の、一発逆転、正真正銘の人生掛けた最後の大博打は観ていて本当にドキドキさせられました。

その博打に奇跡の大勝利を収めた瞬間は「これで人生全部うまくいく!ハワードやったじゃん!」と僕もテンション上がりまくり。

そしてハワードと一緒に喜びの絶頂を迎えたその瞬間、ブチ切れた借金取りに拳銃で顔面撃ち抜かれます

最高の笑顔のまんま絶命したハワードの顔に空いた穴にカメラは吸い込まれ映画は終わっていくのです。

終始超ハイテンションで行き当たりばったりのクズ野郎ハワードに無理やり付き合わされて、訳も分からずイライラさせられながらも最終的にはしっかり感情移入させられて、人生掛けたギャンブルに勝って大金掴んで一緒に喜んだ瞬間に顔面撃ち抜かれて勝手に死んでしまい、完全に置いてけぼりにされた僕はただただ茫然とエンドロールを眺めながらこう思うのでした・・・

 

「クソが!結局超面白いじゃないか!」

 

ちなみにこの映画の面白さを時間経過とともにグラフで表してみました↓

面白さグラフ

アダム・サンドラーはほんとに凄かった!

キャリア史上最高の演技」と称されたアダム・サンドラーの超ハイテンション演技は本当に凄かったです。

クズの極みみたいなクソ野郎なのにどこか愛嬌があって可愛い、けどやっぱムカつくというハワードを見事に演じ切りました。

借金取りのボス・アレノ役のエリック・ボゴシアンの目つきのヤバさは、ちょっと今まで見たことないぐらいマジで恐いです。
見た目は『仁義なき戦い』の槙原のときの田中邦衛500倍極悪にした感じです。

アレノ
右から2人目が極悪田中邦衛ことアレノ

こんな極悪な見た目なのに、手下が暴行を始めると引いちゃう気の小さい奴です。

愛人・ジュリアも可愛くて良かったです。
クラブの便所でザ・ウィークエンド(本人)とコカインキメてるのをハワードに見つかって、罵り合いのケンカシーンは最高でした。
散々罵られた挙句、タクシーで去っていくハワードに向かって「消えろ!また明日ねー」ってこんな馬鹿で可愛いセリフあるのか!

奥さん役のカイヤ激似のあの人の死ぬほど嫌な感じも良かったし、借金取りフィルの本当に恐い人特有のあの威圧感も良かったです。

ドアと防弾ガラスの間のスペース

映画の序盤からくどいぐらいに何度も出てくる、あの「ドアと防弾ガラスの間のスぺース」も良かったですねー。

「ドア開けてくれ!」「閉めろ!」「早く開けてくれ!」としつこく何度も何度も何度も出てくるこのスペース。

もういいよ、そのくだりは!と嫌気が差すんだけど、最後の最後にしっかりこのスペースが悲劇の引き金となるのは良かったです。

あとどうでもいいことなんだけど、字幕で観るとハワードのセリフが結構な頻度で片言になってるんだけど、あれって何だったんだろう?
そういうキャラなのかと思ったら吹替は普通にしゃべってるし、英語の聞き取りが全くできない僕にはよくわかりませんでした。
別にどうでもいいんだけど。

総評

というわけで、観る人を選ぶ映画であることは確かですが、僕は完全にやられてしまいました。

ジェットコースタームービー」ってよく言いますが、本当にジェットコースターに無理やり乗せられたような感じで最後までどこに連れていかれるか分からない映画でした。

ラストの顔面撃ち抜かれるシーンも、普通の映画なら「あーこの後なんか嫌なこと起こるんだろうなぁ」と何となくぼんやり身構えて観たりするのですが、先ほども書いたようにこの映画は考える隙を与えてくれないので撃たれた瞬間に「うわ!殺された!!」と心底ビックリしました。

冷静に観てれば、たぶん撃たれるんだろうなぁって薄々感じるんだと思うけど、全くそんなこと考えずに「ハワードやった!これで人生逆転だ!」と一緒になって喜んでしまった時点で、この映画の仕掛けに100%乗せられて純粋に楽しんでしまったということなのではないでしょうか。

映画の序盤でもう嫌になってしまう人もいるかもしれませんが、試しに1回このジェットコースターに乗ってみてはいかがでしょうか。
どっちにしろ死ぬほどイライラさせられることは間違いありませんよ!

『アンカット・ダイヤモンド』はNetflixだけで観れますよ!

『アンカット・ダイヤモンド』はウルトラアッパーなギャンブル映画ですが、日本の超ダウナーなギャンブル映画『凪待ち』の感想も書いているので興味ある人はこちらもどうぞ↓

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